2025年よく聴いた曲
今年もお疲れ様でした。人生について考える時間が年々増えてきている。音楽に関する大きな出会いはなかったかな。K-POPをよく聴いた。ギリギリ更新なので動画やリンクは省略させていただきます(来年は余裕を持とう泣)。
◇女王蜂「紫」
今年発売の『悪』はいいアルバムなのですがボーカルの呂律が少し心配な感じでした。「超メモリアル」「首のない天使」も好き。
◇TWICE「ENEMY」「THIS IS FOR」
いまさらハマる。前者は2000年代の非作曲系女性歌手の懐かしい香りを感じます。
◇Fling Posse・麻天狼「Stick To Mic」
今年はヒプムビの年でもありました。バトル曲もディビ曲も全体曲もよいだけではなく繰り返し観たくなる映画でした。
待望の我らが弥之助作詞のバトル曲は初期からヒプマイに関わってきた弥之助ならではの歌詞で私の語彙では表現できないくらい隅から隅まで素晴らしい。弥之助をはじめとして映画に関わった人たちに心からのありがとう。
◇MoonByul「Goodbyes and Sad Eyes」
ママムのムンビョルのカムバ曲。疾走感のある失恋ロックナンバーはキャッチーかつ的確にエモーショナル。こういう曲が一番いいんだから。ムンビョルはいつもいい曲を出してくれるんだから。来年はママム完全体のカムバがあるということでとても楽しみです!
◇スルギ「Praying」
レドベルは完全体活動こそなかったものの個々の活動は活発でした。中でも好きなのがスルギのアルバム曲。ウルトラブルー〜ハートステーションあたりの宇多田ヒカルのアルバム曲に通ずる空気感があり、何度聴いても飽きません。
◇Jennie「ZEN」
プログレ風味を感じます。オタクはこの曲好きだと思う。というかこのアルバム良すぎる。
◇アヴリル・ラヴィーン「Complicated」
私はもぐりなのでこの大名曲を今年知りました。何度聴いてもグッと来る。
◇ゆっきゅん「去年の夏は一日だけ」
ジャンルで言えばカワイイフューチャーベースと言うのでしょうか。ゆっきゅんの曲の中で「日帰りで」と並ぶくらい好きかも。
◇Tula「Breathe Me」
私はもぐりなのでこの大名曲を今年知りました(2回目)。単純にものすごい美メロ。
他には植田真梨恵「百獣の王」(結婚した人の音楽に興味が持てなくなる人間なのでしばらく距離を置くでしょう)、Jessi「Down」「Newsflash」(声の使い方かっこいい)、KiiiKiii「DANCING ALONE」(明るくて爽やかなのに涙腺を刺激してくる系の曲大好き)、BABYMONSTAR「WILD」(どの曲も粒揃い)、団地ノ宮「かげおくり」(「ビデオテープ」並の名曲が来て大興奮)、ITZY「8-BIT HEART」(変則的な曲展開がかっこいい。再契約おめでとう)、CL「Hello Bitches」(MVの中毒性がすごい)やあんスタ、エリオスの曲もよかったです。来年もいい曲に出会えますように!
2024年よく聴いた曲
今年も暗いニュースが飛び交う一年でした。個人的にはありがたいことに平和で楽しい一年でした。そのせいなのか加齢のせいなのか、感情生命体(ゆっきゅん語彙)になる瞬間が劇的に減ってしまい、音楽に全てを託すような聴き方ができなくなってきていることを感じています。
◇tripleS『Girls Never Die』
おそらく今年一番よく聴いた曲。グループのシステム的にも韓国の欅坂という感じ。MVもとても好きなんです。
◇XG『Howling』
今年も大躍進だったXG。「AWE」(畏敬)というタイトルのアルバムのリード曲に相応しい神々しさ。今年出した曲全部良かったです。
◇Tommy heavenly6『Heavy starry chain』
どハマりしたTommy heavenly6/february6。甘くて気だるげでハスキーな川瀬智子の歌声がたまりません。子どもの頃に憧れていた平成のお姉さんたちの文化の匂い。
◇新居昭乃『Black Beanstalk』
昨年に引き続きフルアルバムをリリースした新居昭乃。パーソナルな作風の『ミツバチの羽音』とはうってかわって様々なアーティストが参加した本作も本当に素晴らしかったです。特にお気に入りの上記はジャックと豆の木をモチーフにした曲。新居昭乃×保刈久明の黄金コンビがやはり私にとって至高であると痛感しました。アルバムツアーにも参加しましたがとても感動しました。
◇なとり『劇場』
どんな人なのか知らないまま(ボカロP?)ずっと聴いてました。良い意味で何も感情を挟まないで気楽に聴けるのが良くて。気だるげながらも安定感のある歌声も好き。
◇Red Velvet『Sweet Dreams』
デビュー10周年を迎えたレドベルのミニアルバムも良曲揃いでした。上記はそのミニアルバムにリパケで追加された新曲。ノスタルジックで多幸感溢れる曲調が歌詞は分からなくても泣けます。ツアーでは何故か日本だけガン無視される悲劇。契約の関係でどうなるか分からないけど一回はライブに行ってみたい。ウェンディのソロ『Wish You Hell』もMV込みで好きでした。
◇斉藤壮馬『Sway』
フルアルバム「Fiction」が発売されたのに&買ったのにまだ聴いていません。このアルバムの先行配信曲がどれも最高だったのでアルバムもきっと素晴らしい出来のはず。上記が特に好き。しかし、彼の曲に対する私の姿勢はあまりにも私的すぎたため、既婚者という前提がある今では、昔のようにどっぷりハマりこんで聴くことができなくなってしまったんですね。キャラソンですが今年出たジュダの『不死鳥』も最高でした。
◇女王蜂『狂詩曲』
先日アヴちゃんの復帰も発表されてめでたい限り。映画の主題歌として発表された上記の曲は「アウトロダクション」系の疾走感あふれる素晴らしい曲。
◇Sweet ARMS『ヒトヒラ』
「デート・ア・ライブ」の曲をよく担当している女性声優ユニットの約2年ぶりの新曲。出す曲全てがが最高すぎて(メイン提供者が渡部紫緒・坂部剛コンビ)長年聴いています。たまにで構わないので新曲を出し続けてほしいです。
◇UNDEAD『Resurrection of Soul』
あんスタは「!」時代から細々とプレイしていましたが昨年11月ごろからUNDEADにどハマり中。今年1月に出たアルバムに収録の上記の曲はオタク的な観点から見ても素晴らしいのですが、エレメンツガーデン全盛期の水樹奈々楽曲で育った私にクリーンヒットのシンフォニックロックで誇張抜きで毎日聴いてました。今年出た新曲「SWINGIN’PARONIRIA」も今までのUNDEADにあまりない曲調でよかったです。他ユニだとReol提供のEden『KEEP OUT』も最高でした。
他にはROSE『toxic till the end』、BABYMONSTAR『DRIP』『CLIK CLAK』、ITZY『Imaginary Friend』、TAEYEON『INVU』、ちゃんみな『Biscuit』、大森靖子『えちえちDELETE』、宇多田ヒカル『Electricity』、ピロカルピン『夢はあけぼの』なども。去年と比べると新しく出会った曲が少ないかも&K-POPヨドルばかり聴いてるっぽい。来年も良い曲にたくさん出会えるといいな。
2023年よく聴いた曲たち
今年は暗い世相の一年だったように思います。私個人としては仕事が忙しいながらも友人や家族と過ごす時間を多く取れて、精神的には安定していました。音楽は同じものを繰り返し聴く傾向がより強まりつつあり、もう少し間口を広げたいなという気持ちも。本格的にYouTube musicをつかうようになりましたが、かといってCDレンタルやCD購入の頻度が低下するということもなかった。データや物質として持っていたい気持ちは年々強まっていく。
◇XG『SHOOTING STAR』『TGIF』
私はMASCARA出る前から注目してたもんね!と意味もなくアピールしたくなるほど活躍ぶりが目覚ましいかったXG。次々にリリースされた新曲はどれもハズレなしで素晴らしいんですが、宇宙コンセプトとY2Kを前面に押し出した『SHOOTING STAR』、初のミニアルバム収録の『TGIF』『NEW DANCE』が特に好みでした。HINATAほんとに倉木麻衣に似てる。
今年公開の映画『キングダム2』の主題歌でした。ピアノバラードで静かに始まる一番から軽やかなテンポで展開していく音の世界がとても心地よい曲です。『BADモード』と同じプロデューサーが関わっているそうです。私はこのタッグが好きなのかも。「いつか起きるかもしれない悲劇を捕まえて言う「おととい来やがれ」楽しい予定をいっぱい入れるの 涙はお預け また逢う日まで」など一皮剥けたような印象を受ける歌詞も大好き。来年はベストアルバム発売&久しぶりのツアー開催とのことでこちらも楽しみです。
◇Red Velvet『Chill Kill』
今年はレドベルにどハマりしてずーっと聴いていました。6年ぶりのフルアルバム『Chill Kill』は特大ヒットというわけではなかったようですが聴けば聴くほどクセになるスルメ曲です。コンセプトがダーク方向に全振りなのに曲は思いの外難解かつ明るく聞こえるのですが、悲劇的な内容のMVと合わせると不思議な満足感がある作品。同アルバム収録の『One Kiss』『Bulldozer』も大好き。過去の曲だと『I Just』『So Good』『Sunny Side Up!』を鬼リピしてました。
◇植田真梨恵『恥ずかしい』
なんと株式会社GIZAを4月末で離れた植田真梨恵。インディーズ時代から一貫して良くも悪くも自由にやっていた&長年一緒のマネージャーが退職してついていったこともあり、あまり心配な気持ちはありません。新しく作成されたyoutube公式アカウントにアップされた上記の新曲は、チクチク刺さるような打ち込み音とブルース色の強い曲調、タイトル通り今まで以上に心の奥底をさらけだした歌詞、どれをとっても渾身の出来。もともとラズワルドピアノ編成のライブで先行して披露され、ベストアルバム(こちらも素晴らしい内容でした)にも収録された曲でしたが、ピアノ一本とはまた違った印象を受けますね。来年はメジャーデビュー10周年(!)ということで一年かけて全国各地を回るツアーを開催予定。音楽を続けている彼女と同じ時代に生きていることが嬉しい、私にとって植田真梨恵はそういう存在です。
◇女王蜂『杜若』
2023年は女王蜂を延々と聴く一年でした。フルアルバム1枚とシングル2枚を発表した他にも精力的に活動しています。特に上半期に発売されたフルアルバム『十二次元』は充実の内容でした。アニメ「推しの子」EDとしてヒットした『メフィスト』も合わせ、どの曲も染み渡るのですが強いて選ぶならこの曲です。女王蜂の曲はお守りみたいな存在。
◇田村ゆかり『Fanfare』『金魚』
今年はフルアルバム1枚とEP2枚をリリース。自主レーベルに移籍してからのゆかりんはパブリックイメージの元気いっぱい乙女ゆかりんカラーはそのままに、今のゆかりんにしか響かせられない個性的な曲をたくさん出しています。最近のゆかりんを語るのに外せない川島亮祐・サクマリョウコンビ作の上記2曲が特に素晴らしかった。『Fanfare』はアルバム『かくれんぼ。』の1曲目を飾る爽やかなアップテンポの曲ですが、初めて聴いたとき涙がこぼれました(良い曲すぎて)。水中に深く沈む様と愛情で自縄自縛になっていく様を重ね合わせたディープかつドラマチックな『金魚』も最高です。ライブへ行って近年の曲たちを聴かなければと思いつつなかなか実現できていないので、来年こそはそれを叶えたいな。
◇Reol『仰げや尊し』
SONYに移籍してからも良い曲をたくさん出しているReol。和×デジタルサウンド×アップテンポという彼女がもっとも得意とするところであろう王道曲ではありますが、夏のはかなさと人生の交差路を祭りと絡めて描いた歌詞で不覚にもじんわり来てしまった。久しぶりに盟友Gigaとタッグを組んだ『DDD』も当然ながら良い曲でした。中野サンプラザでのReolと女王蜂の対バン楽しかったなあ。
◇スピッツ『美しい鰭』
個人的2023年最大の出来事は劇場版名探偵コナン黒鉄の魚影が公開されたこと。灰原哀さんに出会ってオタクになった私にとって宝物のような作品でした。魚影のおかげで2023年すごく楽しかったな。ビーインググループがコナン映画主題歌をかわりばんこで独占していた時代もはるか遠く昔へ過ぎ、今年はスピッツが主題歌を担当。ビーイングオタクだった私からすると非ビーイングアーティストのコナン曲はあまりピンとこないことが多いのですが、映画の内容にオーバーラップさせながらも重なりすぎない歌詞と良い意味でいかにもスピッツらしいミドルテンポ曲『美しい鰭』は大好きになりました。本当にありがとう。
◇ジュダ(CV.斉藤壮馬)『インビジブルマン』
◇斉藤壮馬『carpool』
⚠︎曲の感想ではなく完全なるキモ日記となりますので読み飛ばしてください⚠︎
2023年上半期最終日に斉藤壮馬の入籍のご報告がありました。5月の単独ライブ前後であれ?と思うことがいくつかあり、薄々気づいてはいたのですが、動揺したまましばらく彼に関する情報をほとんどシャットアウトしていて、久しぶりに聴いた上記の曲はやっぱり本当にいい曲で、でもご報告前までのいろんなものを託す聴き方はもうできないという確信も持ちました。魔法が解けたとはこういうことを言うのかもしれない。上記の単独ライブの映像化がされてからは特に歌活動に関する動きはないようですが、新譜は今までと変わらず楽しみです。
ヨエコ『ドーパミン』(倉橋ヨエコがなんと復活。讃美歌要素もあり、syrup16gを聴いているときと同じ脳みその部分が反応する)、f(x)『4walls』(SMエンタテインメント所属のヨジャドルグループの名曲。移り変わりが激しいK-POPの中でも未だ色褪せない輝きを放っている)、Velsipo『Frost Kill The Garden』(はまたけしと新居昭乃のデュオユニットの曲、凍りついた世界を覆うはまたけしの歌声と一筋の光でその氷を溶かすような新居昭乃の歌声がたまりません)、PolyABC『Emergency Solar Still』(2000年代の匂いがするセンチメンタルなバンドサウンドに胸を締め付けられます)、Whee In『17(Featuring HWASA)』(ママムのフィインが出したフルアルバムに収録された盟友ファサとのデュエット曲。この二人は歌を歌うために生まれて出会ったのではないかと思ってしまう)、勘解由小路無花果(CV.たかはし智秋)『No Pain,Not to be Strong』(ヒプマイが擁する女性キャラの曲。歌謡曲っぽさもあるメロディアスな曲調と智秋様の唸るような歌声がベストマッチ)、ゆっきゅん『日帰りで』(失恋した女友達とその友達の曲。ゆっきゅんは毎回歌詞が本当に素晴らしい)、Adam『Melting Rouge Soul』(ゲームアプリ「あんさんぶるスターズ!!」内のユニット曲。日本の二次元コンテンツでBLACKPINKをやるとこうなるんだね)などもよかったです。
来年もいろんな良い曲に出会えるといいな!
2022年よく聴いた曲たち
個人的に今年は目まぐるしい一年でした。引越し、仕事の移動、身内の死などなど…。変化に弱い性格なのでその度にうじうじしてましたが、そんな苦しい時間を音楽と友達に支えてもらった気がします。例によって2022年より前に発表された曲も含まれます。
・新居昭乃「無言の詩」
2022年3月に発売されたアルバム『ミツバチの羽音』は初のセルフプロデュース作品(うち2曲は保刈久明作・編曲)ということで、打ち込みと弦楽器、ピアノを主体としたシンプルな編曲と極限まで削ぎ落とした世界観でよりパーソナルに新居昭乃の音楽を感じることのできる作品です。今作唯一のリズム隊(打ち込みだと思うけど)と弦楽器がうつくしいプログレ風「dream,dream」、物語調の歌詞と繊細なアルペジオが独特な物悲しさを醸し出す保刈久明作・編曲の「金の糸の話」などどの曲も粒揃いなのですが、強めのリバーブがかけられたピアノの響きと遠い記憶と心象世界を自由に行き交う歌詞が無限の奥行きを感じさせる「無言の詩」に心打たれました。今年はライブに2回ほど参加でき、そのうちの1回で個人的新居昭乃楽曲No. 1の「Unknown Vision」が聴けて感激でした。新居昭乃の音楽はどんなときも私に安寧の地を与えてくれます。そんな期待を裏切るどころか超えていった一作でした。
・宇多田ヒカル「BADモード」
2022年1月に発売されたアルバム『BADモード』は各所で絶賛の嵐でした。特にリード曲にもなった上記曲は軽やかかつ乾いた打ち込みやホーンの音とセルフケア・恋愛や友愛で区切らない普遍的な他者への愛情など世相をも巧みに反映させた歌詞が素晴らしい。惜しむらくは既出曲が多すぎること(その既出曲が全部凄まじいんだけど)、既出曲を圧倒するアルバム曲がなかったこと(どれも「新しい宇多田」を感じさせる良曲ではある)でしょう。あと個人の思想による問題なんですが、楽曲(コーラスやバイオリンで参加!)や歌詞カード、ジャケ写などで子どもを全面に押し出されているのが受け付けなかった。この作品もとい今の宇多田ヒカルの表現として最高であることは間違いないが、私個人の思想のせいでどうしても…。とはいえ歴史に残る名作。
2022年9月に発売されたアルバム『Euphoria』のタイトル曲。ことあるごとに構想を仄めかしてきたアルバムがやっと制作されると聞き楽しみにしてましたが期待以上の出来でした。植田真梨恵の音楽はインディーズ時代とメジャーデビュー後に二分されると思っていて、それぞれに魅力と物足りない部分があったのですが、前作『ハートブレイカー』でそこから一皮むけたなと思っていました。その流れを引き継ぎ、植田真梨恵の音楽をさらに深化させた一作として『Euphoria』は今までとは異質な輝きを放っていると思います。おどろおどろしい轟音と薄暗いイメージ、過去と現在を淡々と織り交ぜた上記曲が特に素晴らしい。でもいかんせん全編通すと地味であることは否めないというか…。熱心な植田ファン以外なら、むしろ全く植田真梨恵を知らない人に刺さるんじゃないかな。来年はラズワルド編成のベストアルバムやライブもあるし、これからの植田真梨恵がますます楽しみになりました。
斉藤壮馬「埋み火」「mirrors」
なんと今年はミニアルバムを2作もリリースしてくれました。2月発売の『my beautiful valentine』、12月発売の『陰/陽』とどちらも安定して良い作品でしたが、前者のリード曲候補だったというシューゲイザーど真ん中の「埋み火」に心の柔らかい部分を握られたまま過ごした一年でした(しかも珍しく本人の心情が滲み出た歌詞だって話がまた心をかき乱してくる…)。クセの強い楽曲が並ぶ後者の中でも一際存在感を放つリード曲「mirrors」は凛として時雨的エモーショナルミクスチャーロック色の強い楽曲でこちらもストレートに心揺さぶられる一作。来年のソロライブが本当に楽しみ!
・Fling Posse「とりまget on the floor」
昨年末の記事を読んでいただければ分かるのですが、去年は甚だしい解釈違い曲のせいでヒプノシスマイクに病んだ1年でした。今年6月に発売されたヒプノシスマイク2ndアルバム『CROSS A LINE』に収録された新曲「とりまget on the floor」の作詞がAFRO PARKERの弥之助だと知ったときあまりの嬉しさに咽び泣きました(誇張ではなく本当に)。2ndバトル優勝を経て変化した彼らの関係性と今までの儚く気まぐれなパブリックイメージを見事両立させたリリックは天才というより他はなし。作曲はtofubeats!合わないわけないだろうと。ピコピコした可愛らしいサウンドに物悲しさが混じるtofubeats節は想像以上にマッチしています(斉藤壮馬はこれを聴いて「ヒプノシスマイク終わるの?」と言ったとのこちあち)。この曲のおかげでヒプノシスマイクへの恨みがいくらか薄れ、適切な距離でコンテンツを楽しむことができるようになりました。弥之助の描くヒプノシスマイクの世界が本当に大好き。他の同アルバム収録の新曲だと「Scarface」「でらすげぇ宴」も良かった。(某ハマの中の人は大変なことになっちゃったけど…)
・女王蜂「introduction」
前触れなく急に女王蜂にハマりました。以前アルバム『Q』をよく聴いていたのですが、私の口にはちょっと大きいサイズに切られた具材が入っててめちゃ美味しいけど食べにくい料理って感じだな〜という印象で(?)そんなにハマらなかったのですが、アルバム『十』をたまたま聴き返し、こんなに良い曲しか入ってないアルバムなかなかなくない!?と驚愕。王道ながらどこか懐かしいサウンドと普遍的な人間の苦悶と解放を描く歌詞、裏声と地声を自由に行き交うアヴちゃんのボーカルが良いですね。「もう一度欲しがって」「火炎」「HBD」もめちゃくちゃ聴いてました。
・aespa「Girls」
今年はテレビを買い替えてずっとYouTubeを観てました。とりわけK-POPは自分なりに昨年よりもさらにたくさん聴くようになり、特にヘビロテしてたのが上記曲です。独特なコンセプトで激戦の第4世代の中でも安定して存在感を示しているaespaは耳に残る楽曲と印象に残るビジュアルで中毒性高し。「Savege」もずっと聴いてました。レドベルとのクリスマス曲「Beautiful Christmas」もよかった。
・MAMAMOO「ILLELLA」
去年はフィインちゃんの事務所移籍もあり激動の年でしたが、約1年ぶりのカムバはママムらしさ全開の情熱的かつオトナなミディアムナンバー。レゲエ要素も取り入れられていて、聴けば聴くほどやみつきになる曲です。同じアルバムに収録された新曲2曲も安定して良かった。
あとはなんといっても先月の幕張メッセのイルコン!直前でチケット取ったのでほぼ見えない席ではあったのですがもう〜めちゃくちゃ楽しかったです!生歌の破壊力ハンパなかった。特にフィインちゃんは本当に魅力的な歌声ですね。2ygの契約期間終了が差し迫っているのでぶっちゃけ4人のママムを日本で見れるのはこれが最後の機会だろうと思って行ったのですが、グループ継続と次のイルコンをできる範囲で匂わせてくれました。期待してもいいのかな〜。たまにカムバするだけでいいからママムというグループは残してほしいな〜。
・団地ノ宮「はてな」
今年12月に初の全国流通のフルアルバム「ゆうやみずかん」がリリースされ、サブスクも一部解禁されました!本当に嬉しい。
上記のリード曲「ゆうやみずかん」は弦楽器(打ち込み?)も取り入れられており、今までの世界観を崩すことなく、よりメジャー志向に聴きやすくなった団地ノ宮を示す良曲。特にお気に入りなのは民族音楽の要素も取り入れられた「はてな」です(まさしく菅野よう子が関わってた時期の新居昭乃っぽい)。アルバムとしての完成度でいえば、曲数が少し多めなこともあり、通しで聴くと間伸びしている印象も受けます(インタビューで「好きな曲をつまむ感じで聴いてほしい」的なニュアンスの発言をしていたのでそういう方針なのだと思う)。個人的に「ビデオテープ」「12棟と子供」「おいのりの日」ほど刺さる曲はありませんでした。肌に迫るような狂気・イノセンス(でも子どものころって言うほど無垢ではなかった気がしますね)があまり感じられず、過去作より聴きやすくなったというか、全国流通盤であることもあいまって幅広い層に向けて作られた感じがするからかもしれない。この作品で第1章が閉幕するということでどんな変貌を遂げるのかドキドキではありますが、精力的に活動してくれていることが嬉しいユニットです。
・内田雄馬「Good mood」
内田真礼たその実弟・内田雄馬。声優業と並行して精力的にソロ音楽活動を行なっている彼の歌唱力はキングレコードお墨付きではありますが、個人的にはそこまで刺さるタイプの曲がなくてスルー気味でした。ですが上記曲はめちゃくちゃツボ!!全編で鳴り響く優しいピアノの音とグルーブを強く感じさせるミディアムテンポの楽曲に内田雄馬のレンジも懐も広い歌声が似合いすぎ。
・やくしまるえつこメトロオーケストラ「僕の存在証明」
2022年の白眉の一つとして、テレビ放映10周年を記念とした鬼才・幾原邦彦監督の『輪るピングドラム』の総集編が公開されたことが挙げられるでしょう。新規カットも含めた総集編とのことでしたが、「きっと何者にもなれないお前たちに…」という印象的なキーワードと共に、キャラクターたちはテレビアニメ版の良さをそこなうことなく10年の時を経て少しだけ優しく前向きな運命に「乗り換え」ました。新たに書き下ろされた上記曲も、テレビ版主題歌「ノルニル」「少年よ我に帰れ」のフォーマットを踏襲しつつもやくしまる楽曲にしては珍しくストレートなメッセージ性を押し出した作品になっています。
2016年リリース楽曲。どういういきさつで知った曲だったかは覚えていない。サビの「仏壇の前で君とセックスした」が出オチにならないどころか楽曲の屋台骨としてしっかり機能していて凄みがあります。轟音のロックサウンドに真っ直ぐ飛び込んでくるフラットで飾り気のないボーカル、家族というハコにおける構成員の移り変わりや死んでいる人間と生きている人間の間に横たわる断絶を淡々と描いた歌詞は素晴らしいの一言につきる。人生の折に触れて聴き返す曲になると思います。
Red Velvet「Psycho」(格調高いコンセプトとフェミニンな5人のボーカルが最高)、麻枝准×やなぎなぎ「White Spell」(スマホゲーム『ヘブンバーンズレッド』関連曲が待望の音源化。安定して最高)、AFRO PARKER「Night Heron」(YONA YONA WEEKENDERS磯野くんの声が最大限に生かされた良曲)、月都スペクタクル「ムーンライトディスコ」(スマホゲーム『あんさんぶるスターズ!!』のイベント曲。BRADIO提供の明るいディスコチックな楽曲とこだまさおり神のユーモアと切なさがほとばしる歌詞が本当に素晴らしいです。推しの巴日和様センター曲でもある)、寺尾紗穂「停電哀歌」(北杜夫の詩に曲をつけたもの。ピアノの弾き語りと清廉なボーカルのみで果てしなく豊かでミクロな世界を生み出しています)、XG「MASCARA」(avex秘蔵っ子グローバルガールズグループの2ndカムバ曲。贔屓目抜きに見ても全てにおいてレベルが高い)、Mill &魔法使いの約束「Skin-Deep Comedy/皮一重の喜劇」(スマホゲーム『魔法使いの約束』メインストーリー第2部主題歌。ダークかつ深遠、中盤の狂気を孕んだ畳み掛けるような展開がたまりません)、フィイン「Make me happy」(移籍後初のカムバ曲。フィインちゃんのメルティーボイスと柔らかな音像のバラード曲相性良すぎ)なども良かったです。
来年も良い音楽にたくさん出会えるといいな!
ノイジー・記憶・寂寥感 植田真梨恵『Euphoria』
2022年9月に植田真梨恵の3年ぶりのフルアルバム『Euphoria』がリリースされた。
「ユーフォリア計画」と題した3ヶ月連続配信リリース企画を踏まえてのニューアルバムであり、メジャーデビュー前から構想が存在したとのことで、度々ファンにその一片を匂わせてきた。上記「ユーフォリア計画」でリリースされた「ダラダラ」「”シグナルはノー“」「BABY BABY BABY」がどれも良作であったことなども含め、とても楽しみにしていた。
おどろおどろしいベース音から轟音弾けるサビに流れるまでの展開が美しく、世相も匂わせる「EUPHORIA」、以前シングルのカップリング曲として収録された&新たにアレンジを施された「最果てへ」「ダラダラ」、古いヤングアダルト向け洋画のワンシーンを切り取ったような叙情的な「“シグナルはノー”」、なんとなく連絡を取りにくくなった友人にそっと呼びかける歌詞と生活音が心地よい「プロペラを買ったんだ最近」、囁くようなボーカルと終盤のノイジーな展開がセンチメンタルを誘う「HEDGEHOG SONG」、時空を超えて何かに呼びかけるような美メロがたまらないミディアムナンバー「BABY BABY BABY」、今作唯一の弾き語り曲「モアザンミューズ」、以前よりライブで披露されていた曲の待望の音源化「エニウェアエニタイム」、飾り気のないギターと表情を削ぎ落としたボーカルがカッコいい「黎明」、南国っぽいリズム隊と世知辛くも未来への決意を感じさせる歌詞がマッチした「ユートピア」など、全曲にわたって植田真梨恵の実直なメロディーと味わい深いボーカル、素材そのままの現実と過去と夢が混じり合った歌詞が楽しめる。全ての編曲は植田真梨恵本人とBrian the sunの森良太が行ったということもあり、いわゆる古き良き時代のガレージロック&ギターとドラムとベースで構成されたノイジーな生音で統一されており、今までの植田真梨恵の中でも一番コンセプチュアルな一作だといえよう。
しかしそこが落とし穴というか、こういう音作りが好きな人にはたまらない作品であることは間違いないが、弾き語りの「モアザンミューズ」以外はほぼ同じような音像・イメージであることは否めず、頭から最後まで通して聴くと少々一本調子に感じてしまう。長年追いかけている超コアなファンからすれば植田真梨恵の世界観を濃ゆ〜く楽しめる良い作品である。しかし、それ以外のリスナーの大勢に絶賛されるアルバムかと言われればおそらく否である(本人も似たようなコメントを出していた)。
とはいえ私はとても好きだ。植田真梨恵をずっと追いかけて生活を重ねてきたファンだからということもあるけれど、植田真梨恵のコアの部分が一番よく滲み出たアルバムだと思う。比較的似た路線の『F.A.R.』『W.A.H』辺りの落ち着いた作品に関しては「これはこれで好きだけど、植田真梨恵にこういう感じは正直まだあまり合ってないな。今後ずっとこの路線だったら残念だな」と感じていたのだが、今作では打って変わって自分のものにしてきた感触がある。この人は作品ごとに雰囲気を変えてくるため、どれを聴いても違う楽しみがあると思う。
来年1月には全編ラズワルド編成(ボーカル&ギターの植田真梨恵とピアニストの西村広文とでほぼ毎冬アコースティック編成のライブをやっているのです。私はこのライブが大好き)で新録したベストアルバムも出るし、ぜひこの機会に植田真梨恵の音楽に触れてみてはいかがでしょうか。個人的な今作のおすすめは「EUPHORIA」「HEDGEHOG SONG」「BABY BABY BABY」です。
宇宙を抱えてひとりで眠る 斉藤壮馬『my beautiful valentine』
斉藤壮馬の2ndEP『my beautiful valentine』が先月2月に発売されました。
贔屓目ありまくりだが、新作を出すたびに完成度を高めていると思う。シュールレアリズムを取り入れたアートワークが可愛らしかったので今回初めて通常盤も買いました。
今回のEPは内省的&ディープかつ本人の趣味をより全開にして作られたとのことで、『林檎』『Vampire weekend』などの分かりやすくダークでエロティックな曲メインの内容になると予想していた。しかし実際に聴いてみるとミディアム調・UKロック色強めの一見明るめなサウンドでまとまった曲が初っ端から4曲続けて並んでいました。
クラップ音と歌詞の畳み掛けがキャッチーな『ラプソディ・インフェルノ』、「ばっかり」「ちゃっかり」「なったり」のフック(と言うんだろうか?)が心地よい『ないしょばなし』、タイトルからして「やっている」感満載の『Liminal Space(daydream)』、今回のリードトラックにもなった細いファルセットが柔らかな印象を与える『幻日』と、聴き心地の良いのいいバンドサウンドが並ぶ。『Paper Tigers』『sunday morning(catastrophe)』『carpool』などが好きな人にはたまらないゾーンではないだろうか。今回ミックスが格段に良くなっている気がする。音一つ一つに臨場感があるというか。『クドリャフカ』を除いて今回はすべてSaku氏が編曲を担当しているが、もともとの相性の良さやライブツアーを共に回った経験の積み重ねもあるのか、繊細かつ生真面目で過不足ないアレンジはよりぴったりに。
個人的なツボでいえば5曲目以降の展開に心の柔らかいところを刺された。ダークシューゲイザーをテーマに掲げたという『埋み火』、倉橋由美子作品をイメージしたという、今回唯一打ち込み主体の編曲かつ舐めるようなファルセットが美しい『ざくろ』、本人が編曲まで担当した恒例のシークレットトラック『クドリャフカ』。スプートニク周辺の逸話をモチーフに用いた曲には新居昭乃『スプートニク』などがあるが、真っ暗闇を漂う宇宙船の奥底から心象風景へと沈み込んでいく『クドリャフカ』もまた違った諦念の感触があってとても良い。サブスク・ダウンロード勢にも是非CDを手にとって聴いてみてほしい。(2022/11/6 今までのシークレットトラック全てが配信解禁されることになった!『ペンギン・サナトリウム』『逢瀬』もあわせておすすめ!)
『埋み火』は今までで最もストレートな表現を用いて歌詞を作ったとのことで、まんまと心を持っていかれてしまった。
_______________
焦がしてよ
目が醒めるたびに ああ今日も
夢ではないと哀しむだけなら
もういいよねって思う
壊してよ
それでも歩き続けている
なんて馬鹿げたウィアード・テイルだ
埋み火 消えちゃいそう
______________ 『埋み火』
(見栄えが悪い引用だな〜)
極めてパーソナルな場所に刺さる曲が毎作品ごとに1曲は存在する。それは『結晶世界』『ワルツ』『いさな』『carpool』だったりする。今回は『埋み火』がそこに該当する。個人的にシューゲイザーっぽい曲が好みなのはもちろん、今上げた曲は終盤やリードトラックとして配置されているものがほとんどだ。作品が帯びているメッセージ性、いわばコアの部分が露出しているわけで、そのあたりに漂う何かが私のツボにハマるし、説明できないそれをずっと欲しているのだと思う。
『in bloom』のテーマが「世界の終わりのその先」であると聞いたとき、次の作品は何を描くのかが気になった。受容を明るく肯定する柔らかな曲が増えていくのは寂しかったが、それは杞憂だったと思う。今回のEPは今まで丁寧に描いてきた世界を飛び越え、自分の中にしか存在しないここではないどこかを執拗に描き、楽しむことを肯定した1枚ではないだろうか。
喪失していくばかりの未来を抱え、他人を誰も乗せないベッドの上で眠るとき、そこにあるものはけして孤独だけではない。
これからはタイアップや他のアーティストとのコラボも見据えた作品作りをしたいとのことで、その前にこういう内省的なテーマを設定した作品を出してくれてありがたい気持ちでいっぱいだ。私は斉藤壮馬の作詞作曲がマジで大好きなので、また今回のようなテーマの作品も作って欲しい。ライブで聴きたい曲がまた増えました。あ〜ライブで埋み火浴びたいよ〜!
2021年よく聴いた曲たち
2021年は音楽をよく聴いた年でした。
引き続き在宅勤務メインで、最初は映画を見たりして有意義に過ごそうと頑張ったけど(仕事しろ)マルチタスクはむしろストレスを溜める要因になることに気づいた。最近はもっぱら音楽聴くかYouTubeでゲーム実況流すかです。
あいかわらずCD派(買ったりレンタルしたり)だけどSpotifyやYouTubeで出会う音楽も増えてきました。2021年発売の作品以外もたくさん含まれます。
・宇多田ヒカル『One last kiss』『君に夢中』
『PINK BLOOD』もよかったよね。昨年に引き続き宇多田ヒカルは神がかってて誇張抜きでハズレ曲がなかった。前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』から約9年の時を経てついに完結した『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版』の主題歌『One last kiss』は会心の出来で、映画館でエンドロールと共に流れたときは言葉にし難い感情に襲われた。「初めてのルーブルは なんてことは無かったわ 私だけのモナリザ もうとっくに出会ってたから」はヱヴァにとってもあらゆる人生にとってもキラーフレーズ。呪いと愛の境界線を溶かしてしまう受容というリスキーな行為は、ままならない人生を生きていく中でいつか必要になるもの。『Stay Gold』を彷彿とさせる清潔なピアノのリフレインとHIPHOPっぽいアプローチのキックが耳に心地いい『君に夢中』はドラマ『最愛』の主題歌とのことですが私は未視聴です。しかし信じられないくらい刺さった。『君に夢中』という一見ありきたりなタイトルで実は「君に夢中な私」がテーマに据えられているのが上手いと思う。手の届かない誰かにどうしようもなく囚われている人に是非聴いてほしい。来年2月にはニューアルバム『BADモード』が発売されるとのこと。本人のツイートによると「自分自身との関係性に焦点を当てたアルバムになる」ということなので、既出曲と併せると早くも真理の名盤であることが確定しています。
・団地ノ宮『ビデオテープ』
琴子・弥子の姉妹によるユニット。菅野よう子の曲をよく歌っていた時代の新居昭乃楽曲(「そらの庭」あたり)をより身近に•より不穏に•よりノスタルジーに寄せたプログレ的音楽性(神聖かまってちゃんぽさもある)、清廉な響きのダブルボーカル(片方は堀江由衣に少し似てる気が)が中流家庭育ちの私のインナーチャイルドにクリーンヒットしました。聴いていると小学生のときの匂いと風景がまざまざとよみがえり、あまりの生々しさにゾッとするくらいです。平成育ちの脳みそを容赦なく刺激してくるジャパニーズホラーチックなMVも良い。今のところ音源を聴く方法がYouTubeの公式チャンネルか口座振り込みによる通販しかないっぽいんだけどサブスク配信もしてくれないかな。この世界観が好きな人たくさんいると思うんですよ。溶けない名前『ダブル・プラトニツク・スウイサイド』とか好きな方は聴いた方がいいです。
・ITZY『SWIPE』
今年はK-POPもよく聴きました。女性ボーカル好きな私はヨジャドルに目が行きがち。去年から聴いていたママムやヒョナ、チョンハ、少女時代も好きですが、メンバーのキャラクターも含めるとティーン層をターゲットに据えた5人組ガールズクラッシュグループITZYの若々しさとコテコテな楽曲はビーイング/GIZA育ちの私にこれまたクリーンヒットでした。どのメンバーも優等生揃いなせいか「私は私」「勝手にするからほっといて」的なメッセージソングがいい意味でぎこちなく聴こえるとこがたまらない。「swipe、swipe…」の繰り返しが耳に残る『SWIPE』も歌詞の内容的にどう考えてもTinderなどの出会い系マッチングアプリで出会ったカップルの不協和音がテーマなんだけどMVはTikTokをフューチャーした男子禁制パーティー的な仕上がりの映像で、こういうところでカマトトぶってしまうところが良いとこでもあり物足りないとこでもある。終盤のリュジンの表情管理が素晴らしいのでぜひ見てほしい。中毒性ハンパなさすぎて一時期これと『LOCO』しか聴いてなかった。
・Fling Posse『SHIBUYA GHOST NIGHT』
今年はヒプノシスマイクに良くも悪くも心動かされた一年だった。運営のテキトーさ、シナリオの風呂敷広げっぷり、バトルシーズンの阿鼻叫喚などなど、わりと問題だらけの本コンテンツがヒットして支持を得たのはなんだかんだで『楽曲の良さ』は揺らがなかったからだと思うのだが、最近だんだんその楽曲も様子がおかしくなってきた。特にシブヤ・ディビジョンの最新曲(名前を出すのも無理なくらい嫌い)があまりにも解釈違いすぎて2021年上半期から私は文字通り祟り神と化し、一年も終わろうという今現在私の心に影を落としている。そんな暗黒期間を支えてくれたのは2020年から放映されたアニメ『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- Rhyme Anima』で使用された新曲を収録したアルバム「Straight Outta Rhyme Anima」だ。『SHIBUYA GHOST NIGHT』はライブハウスのお化け退治を任されるフリングポッセのメイン回にぴったりのパーティーソングで、シブヤらしい跳ねるようなおちゃめなトラックとリリックの中に、異端を自覚しつつも自分の好きなものを追いかける三人の刹那的ともいえる生き方が見える。どこを切り取っても良いけど特に帝統パートのちょっとうわずったような声色が素晴らしくそそられます。「好きなものたちだけを信じたい」に救われ慰められた一年だったよ…。このアルバムは本当に捨て曲がない素晴らしい出来栄えで、アニメにおける自己紹介的な意味合いの強い曲もたくさん入っているので、ヒプノシスマイクをあまり知らない人にもおすすめです。麻天狼の『WELCOME U』、EDに使用された全員曲『絆』もよかった。ヒプノシスマイクからは距離を置くけど死に際は看取ってやるよ(誰目線?)
・田村ゆかり『Never let you go』
(トレイラー的な動画がないどころかiTunesで配信すらしていないようだ)
レーベル移籍後初のフルアルバム「あいことば。」は傑作でした。パブリックイメージの電波系萌えキュンちょい重乙女ソングもディープなファンに熱狂的な支持を受けるダークアダルト路線の曲もそんなに入ってないんだけど、ゆかり姫と一緒に歳をとってきた大人ファンの心へ軽やかに届くポップソングが揃っており、個人的には一番好きなアルバムになりました。特に今回挙げた『Never let you go』は、内田彩『ピンク・マゼンダ』『Daydream』、デレマスの『さよならアンドロメダ』『クレイジークレイジー』などを彷彿とさせるkawaii future bass の流れを汲むトラックと和っぽさも含まれた抒情的なメロディ、静かな心象風景に情勢が重なり合う繊細な歌詞、伸びやかなゆかりんの歌が本当に素晴らしい。同アルバムの「Exactly」「花火」も良かったです。
・印象派『ヘンて言葉、キライ』
MIUとMICAによる女性2人組ユニットも久しぶりにアルバムを出してくれて嬉しかった。
既出曲『WANNA』『常温じゃない関係』『ダーリンナイツ』ではグルーブ感の心地よいバンドサウンドと摩訶不思議かつクールでシュールな歌詞、ソリッドなMICAのボーカルと舌足らずなMIUのボーカルが絡み合ったときの気持ちよさは健在。『ヘンて言葉、キライ』はシュールかつ難解な曲展開が恋と価値観に囚われた女の子の飛躍していく思考回路を描いた歌詞とベストマッチ。ゆっくりとしたリリースペースのユニットなので次回作は3年後とかになるんだろうな。
・BBHF『Work』
「あの花」の主題歌でヒットしたGalileo Galileiが名前とメンバーを変えて活動していること、知ってはいたけど聴くのをなんとなく後回しにしていて、今年たまたま聴くタイミングがあり、ことごとく良くてアルバム全部聴いた。ガリレオ時代はなんとなく北欧の少年の思春期を描いたような歌詞を尾崎雄貴の透き通るようなボーカルで聴かされるのがたまらなく好きだったんだけど、BBHFとして再始動してからは、より現代日本に生きる人たちの、毎日くたくたになるまで働いて食って寝て誰かと関わり合って…そんな生活に寄り添った音楽が増えたように思います。『Work』は家族を養うため食っていくための仕事をひたすら続けて歳を取った人の曲。ありふれた人生を編む生活という糸のほとんどは諦念と繰り返しだということを、いわゆる「人間賛歌」に回収されない血の通った手つきで扱われている。これからの活動も楽しみです。
・斉藤壮馬『carpool』
以前このブログでも取り上げたし、2020年12月発売の曲なんですが、やはり毎日のように聴いていたので…。
今年はアルバム「in bloom」を引っ提げたツアーが開催された。私は東京公演2days参加して、1日目がなんと最前列の席で…(泣)。ここで運を使い果たしたからもう一生ライブでいい席くることないんだろうな…と思いながら夢のような時間を過ごした。数年前まではまさか斉藤壮馬という人にこんなに拗らせることになるとは思ってなかったよね。彼は実在していました。このライブの模様を収めた円盤も秋に発売されたのですが、楽曲の良さもさることながら、ファーストライブと比べて格段に歌が上手くなっていた!!!努力の人よ…。ライブで聴く『carpool』は音源より明るく哀しいニュアンスが強まっていて、ところどころ加えられたアレンジもよかった。来年2月には引き続き全曲斉藤壮馬による作詞作曲の2nd EP「my beautiful valentine」も発売されるとのことで、楽しみすぎて身悶えしてます。
・Velsipo『Toward the moon』
アニメ作品の劇伴などで活躍しているはまたけしと新居昭乃によるユニットのアルバムに収録されている曲。揺蕩うようなリズム、はまたけしのハスキーでロマンチックな歌声と静謐な光を思わせる新居昭乃の歌声が、月夜の穏やかな海に船を漕ぎ出すような幻想的な情景を描き出している。アルバム全体が大人の鑑賞に耐える名作ファンタジー小説のような世界観で統一されていて、聴きながら原作のゲド戦記を思い出しました。はまたけしの提供曲を新居昭乃が自分のアルバムで歌うスタイルもよかったけど(『眩光』とか)、このユニットでも新作出してくれないかなあ。今年は新居昭乃のライブに2回参加できて、どちらもとても素晴らしく、どうかできるだけ長い間元気で音楽をつくってほしいという思いを新たにしました。新居昭乃も来年3月にアルバム『ミツバチの羽音』を出すとのこと。年末のライブ「silent choir」でいくつか披露された新曲がどれも最高だったのでこちらも楽しみです。
・YOSHII LOVINSON『CALL ME』
(公式MVもアップされてるけどこの公式ライブバージョンが特に素晴らしいのでこちらを)
THE YELLOW MONKYのボーカル吉井和哉によるソロプロジェクトの曲。YouTubeのおすすめで流れてきたんだったかな。結構古い曲らしいんですけど曇り空みたいなどんよりした雰囲気の歌詞と切々としたメロディ、渋いバンドサウンドが好みすぎて毎日聴いていたところ、本人の「宇多田ヒカルを意識して作った曲」という発言を見かけて納得した次第。
・NANA starring MIKA NAKASHIMA『GLAMOROUS SKY』
私が今年最も影響を受けた漫画といえば『NANA』。NANAを読破すると(未完だけど)、世界のあらゆる事象と人間関係、感情の動きがNANAに見えてきます。同じく読破した友人とさかんにいろんな現象について「これ大崎ナナじゃない?」と言い合いました。ゆっきゅん・水野しず・せきやゆりえによるトークイベント「NANAナイト」も最高でした。NANAは現代の源氏物語といっても過言ではない…それくらい引力があり、かつ普遍的な運命の悲しさを描いた素晴らしい漫画なのです。矢沢あい先生作詞・HYDE作曲の『GLAMOROUS SKY』は実写映画版の主題歌で、原作者の手による作詞ということもありNANAという概念の「正解」がここにあるといって差し支えないでしょう。
・GARNET CROW『His voyage』
GARNET CROWデビュー20周年ということで意味不明な企画(クソダサTシャツ受注生産、追加要素は解散発表mcのみ既出ライブ映像再発売など)がありましたが、全曲サブスク解禁というナイスプレイも一応ありました。いつか遠くへ旅に出ることを夢に身を粉にして働き続けた主人公の行く末を淡々と描いたアラビアンファンタジー的なアップテンポ曲『His voyage』を何故かよく聴いていました。この曲はどちらかというと歌詞に重きが置かれていて、ボーカルやアレンジはあくまで物語を支えるパーツのひとつとして機能しているんだけど、だからこそそれぞれの良さが際立っている隠れた名曲。私にとってGARNET CROWの代わりになる音楽は無いなと実感する一年でもありました。
他にも神聖かまってちゃん『僕の戦争』(マーレ編以降の進撃の巨人にぴったりでした。かまってちゃんのタイアップ曲どれも良いよね)、The Beatles『In my life』(精神的に疲れたとき何故かビートルズを再生する一年でした)、藤井風『何なんw』(なんとなく聴いてみたらめちゃくちゃよかった。良い声)、Wheein『water color』(ママムの推しフィインちゃんのソロカムバ曲。彼女のダンススキルと変幻自在のボーカルが生かされた佳曲でした)、やなぎなぎ『Birth』『今日もデジは猫のふり』、YUKI『My lovely ghost』(令和の価値観とYUKIのユーモアと生活の曲、好きでしかない)、Reol『ウテナ』(ブラックミュージック+ボカロ的な音作り+少年ぽい可愛い声が連ねるヒップホップ的な歌がツボ)、girl in red『we fell in love in october』(MVがまた素晴らしい)、plastic girl in closet 『Labyrinth』(シューゲイザー系バンド。男女ツインボーカルと眠たげなサウンドがクリーンヒット)などもよかったです。
聴く音楽の幅が広いとはとてもいえないけど、音楽とともに生きているなと思います。





